【管理栄養士が解説】受験や勉強におすすめの夜食!太らないコツも

夜遅くまで勉強を頑張る受験生のみなさん。 
夕食から時間が空くと、おなかが空いて集中できないこともあると思います。

「何か食べたい・・・!」
でも「夜食は太りそう」「何を食べたらいいのか、わからない」
というお悩みをお持ちではありませんか?

中高生は成長期ですぐにおなかが空くものですが、同時に外見も気になり始める時期ですよね。そこで今回は太らない夜食の食べ方やポイントを管理栄養士の観点から解説します。

この記事を読めば正しく夜食が食べられるようになり、試験勉強の手助けができる可能性が高いです。おすすめの夜食も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

夜食摂取のポイント

まず、夜食を食べるうえで知っておきたいポイントを紹介します。

① 空腹を感じたらまずは水を飲んでみる

おなかが空いたり、集中力が切れたりしたら、まずは水を飲んでみましょう。また、空腹感と脱水は関係があり、からだが水分を欲すると空腹を感じることがあります。

勉強に集中していると水分補給を忘れがちです。脱水は集中力の低下や頭痛など不調の原因になります。海外の研究によると、大人では知的作業に取りかかる前に0.5リットルの水を飲むと効率がアップし、子どもの場合は集中力や記憶力も向上するという結果が出ています。

水を飲んでも改善しなかった場合、夜食を食べるようにしてください。水分補給には、糖分の多いジュースや利尿作用のあるコーヒーではなく、水がベストです。

② 消化がいいものを選ぶ

夜食には、消化がいいものを選ぶようにしましょう。とにかく睡眠に影響が出ないことが大切です。消化がいい食べものとは、

・ごはん、パン、麺などの精白された穀類
・白身魚、赤身肉や鶏肉などの脂肪が少ない部位の肉
・野菜の繊維断を断ち切ったり、やわらかく煮たりしたもの

などを指します。

③ 夜食は必要なときだけ摂取する

夜食は必ずしも必要な食事ではありません。食べものが体内に入ると消化が始まり、睡眠の質が落ちてしまいます。また、成長期では気にしすぎなくていいとは言っても、夜食を食べることで摂取エネルギーは増え、太る原因になります。

どうしてもお腹が空いてしまったときは仕方ないですが、惰性で食べることはやめましょう。身体に必要な栄養素は3食の食事でとるようにして、夜食はあくまでサポートと考えてください。

おすすめの夜食5選

せっかく夜食を食べるなら効果的に食べたいですよね。集中力や記憶力の観点から、夜食でとりたい栄養素や食べものを紹介します。

① 集中力を上げたいなら炭水化物

集中力が切れたときは炭水化物を食べましょう。炭水化物はブドウ糖を含み、ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源です。炭水化物は太りそう、と避ける人が多いですが、成長期では心配いりません。

具体的な食べものとしては、あんこの和菓子やおにぎりがおすすめです。片手で食べられますし、炭水化物が主原料なのですぐにエネルギーになります。おかゆやうどんも消化がよく炭水化物摂取源としてもバッチリです。

② 記憶力アップを期待するなら青魚

さんま、さば、いわし、あじなどの青魚が効果的とされています。即効性はありませんが、青魚に含まれるDHAは脳の活性に役立ち記憶力の維持に関係があるとされています。

白身魚に比べると消化は悪いですが、缶詰などをうまく利用すると便利です。普段の食事でも積極的に食べるようにしましょう。

③ リラックスしたいときはチョコレート

チョコレートやココアがおすすめです。チョコやココアに含まれるテオブロミンにはカフェインのような覚醒作用や集中力や思考力を高める効果リラックス効果が期待できます。

カカオ含有量が高いチョコレートほど効果を得られますが、その分脂質も多くなるので食べすぎには注意です。

④ 風邪予防には野菜

風邪予防にはビタミンA、CやビタミンB群をとりましょう。

受験や試験前は体調を万全にしたいものです。緑黄色野菜や肉、魚に含まれます。蒸し野菜や、肉団子と野菜のスープなどがおすすめです。

⑤ 眠気覚ましにはガム

ガムを噛むのがおすすめです。ミント系のガムは気分がすっきりします。また、噛むと脳が活性化され、集中力もアップします。シュガーレスのガムを選べば、虫歯にもなりにくく健康的です。

夜食に向いている食べもの

最初におはなししたように、夜食には消化が良い食べもの、ブドウ糖を含む食べものが適しています。その他にも夜食に向いている食べものの条件があるので紹介します。

① やわらかいもの

やわらかいものは消化が良いため夜食に向いています。生では固い野菜もスープにして柔らかくすれば夜食にぴったりです。体内からあたたまりますし、水分補給にもなります。

② あたたかいもの

あたたかいものを食べると消化を助けます。心も落ち着きますし、夜食にはあたたかい食べものがおすすめです。

③ 自分の好きなもの

自分の好きなものを食べるとテンションが上がりますよね。人間は好きなものを見たり食べたりすると、やる気と関係があるドーパミンが分泌されます。

好きな食べものをご褒美にして勉強を頑張る、というのもいいかもしれません。多少夜食に不向きな食べものでも食べすぎなければ大丈夫です。

夜食に不向きな食べもの

逆に夜食に不向きな食べものを紹介します。絶対に食べてはダメということはありませんが、なるべく避けたほうが良いです。

① 脂質が多いもの

脂質が多い食べものは消化に時間がかかり、睡眠の質に悪影響を及ぼしやすいです。さらにエネルギーも高くなるため気をつけましょう。

② 辛みなど刺激があるもの

胃腸に負担をかけてしまいます。夜は胃腸の働きも悪くなるので刺激物は避けましょう。

③ カフェインを含むもの

眠気覚ましにはカフェインと思うかもしれませんが、夜にカフェインを摂取すると、いざ寝るときの睡眠の質が悪くなり、翌日にも悪影響がある可能性が高まります。悪循環が生まれてしまうので避けましょう。

④ 冷たいもの

冷たいものも胃腸に負担をかけ、消化が悪くなるので避けた方が無難です。

夜食で太らない食べ方のコツ

夜食に向いている食べもの、向いていない食べものが分かりました。夜食は食べ方にも注意が必要です。太らずに夜食の効果を最大限に得るため、気を付けたいポイントを紹介します。

① 食べてすぐに寝ない

食べてすぐは胃が活発に動いています。その状態で寝ても良い睡眠になりません。また、食べてすぐに寝るとそのエネルギーが十分消費されず脂肪になりやすくなります。

就寝の2時間前までには食べ終わるようにしましょう。

② 食べながら勉強はしない

人間はひとつのことにしか集中できません。また、ながら食べをしていると無意識に食べすぎてしまう原因にもなります。

勉強するときはする、休むときは休む。メリハリをつけて夜食を食べましょう。

③ たくさん食べない

夜食は200kcal前後にしましょう。いくらヘルシーな夜食を選んでいても食べすぎてしまっては太ります。

満腹になると集中量が下がりますし、食べた分だけ消化に時間がかかり、睡眠の質が落ちます。

感覚としては、空腹じゃなくなったくらいの量で食べるのをやめましょう。

④ 睡眠、休養もしっかり取る

夜食を食べてもうひと踏ん張りすることも大切ですが、やはり休養も大切です。睡眠不足は食欲増進ホルモンを増やすともいわれています。

睡眠の質を高めると翌日のやる気にも影響しますし、寝ることで記憶の定着もよくなります。

また、睡眠不足が続くと免疫が弱まり、風邪に負けやすい状態になってしまいます。
無理はし過ぎず、疲れたときはしっかりと休みましょう。

まとめ

夜食には、消化が良い炭水化物を食べましょう。集中力が落ちたら炭水化物、記憶力を維持したいなら青魚、リラックスにはチョコやココア、風邪予防には野菜、眠気にはガムが適しています。

他にも、あたたかく柔らかいものや自分の好きなものを食べてみてください。

食べるときは食べすぎには注意し、夜食を食べる前に3食の食事を見直したり、水を飲んでみたりしましょう。夜食を惰性で食べるのはやめ、メリハリを意識できると良いですね。

夜食は効果的に食べられれば、試験勉強の強い味方です。正しく夜食を食べて試験を乗り切りましょう!