長時間勉強していると疲れて、どんどん姿勢が崩れてしまうという方は多いのではないでしょうか。
姿勢が崩れると集中力が落ちますし、崩れた姿勢のまま勉強を続けていると腰痛や肩こりの原因にもなります。
若いうちには発症しなくても、社会人になってから椅子に座る時間が増え腰痛に悩まされているという方は多いため注意が必要です。
本記事では厚生労働省が推奨する基準(ガイドライン)に基づき、体への負荷を減らしなるべく長時間勉強できる姿勢の座り方について解説します。
正しい姿勢の座り方を身に着けて集中力を高め、長時間勉強できるようになりましょう。
目次
椅子に座る場合
まずは椅子に座って勉強する場合におすすめの姿勢について解説します。
正しい姿勢と座り方①椅子に深く座る
まず、椅子には深く座りましょう。椅子は基本的に深く腰掛けるように設計されているため、 深く座ることで後に説明する良い姿勢を維持しやすくなります。
正しい姿勢と座り方②足裏全体が床につくように高さを調節する
次に、 足裏全体が床につくように高さを調節します。足裏が床につかない場合は、高さが調整できる椅子を買うか、フットレストを使いましょう。
読み終わった漫画雑誌などを足元に敷くという方法でも構いません。
正しい姿勢と座り方③太ももと座面の間を少しあける
座面(座る面)が常に接している状態で座っていると、太ももが痛くなります。
これを避けるため 座面と太ももの間に指が1~2本入るくらいの隙間を開けるように座りましょう。
浅く座っていると座面に太ももがぶつかりやすいので、やはり深めに座ることが必要になります。
正しい姿勢と座り方④背もたれで体を支える
椅子に座ったら、背もたれに少し体を預けましょう。
背もたれが硬いタイプの椅子の場合は、 腰当てやクッションを腰と座面の間に挟むことでデスクチェアと同じように背もたれで体を支えられます。(上記画像のイメージです。)
クッションが無い場合は、 バスタオルを丸太のようにまるめると腰当てとして利用できます。
正しい姿勢と座り方⑤腰の角度は90度を意識する
猫背を始めとする前のめりの姿勢は体への負荷が大きい姿勢です。
勉強がしやすいからと前のめりになりがちの方も多いと思いますが、実は 呼吸が浅くなり集中ができなくなったり、肩への筋肉の負荷が増えたりなど悪影響が大きいのです。
できるだけ 腰の角度が90度になるように意識しましょう。
ちなみに90度を超えて後ろに仰け反るような姿勢は反り腰と呼ばれ、これも腰痛に繋がりやすいので避けるようにしましょう。
正しい姿勢と座り方⑥なるべく足を動かす
長時間勉強するときには気づいたときに足を動かしましょう。足元に物が置いてあるなどして足が動かしづらい環境になっていると、エコノミークラス症候群が出やすくなります。
物を片付けるなど工夫して なるべく足を自由に動かせるようにすることが必要になります。
また、気づいたときに足をぐるぐる回すストレッチや、ふくらはぎのマッサージをするのも効果的です。
ローテブルの場合
ガイドライン上、こたつのようなローテブルを用いて(床に座って)の長時間の作業は「できる限り避けることが望ましい」と記載されています。
床で勉強すると前のめりの姿勢になり椎間板(ついかんばん)への負荷が著しく高まります。また、同じ姿勢になりやすく関節にも余計な負荷がかかります。
部屋にデスクがない方や、ローテーブルのほうが集中できるという方は、以下の2点に留意しましょう。
正しい姿勢と座り方①同じ姿勢を避ける
まず、 長時間同じ姿勢でいることを避けるのが大事です。同じ姿勢が長く続いていることに気づいたら体の位置を動かしましょう。
また、時々立って足腰をストレッチしましょう。休息は椅子に座る場合よりも長めに取ることが推奨されています。
正しい姿勢と座り方②あぐらの場合、折りたたんだ座布団の上に座る
床に座る場合、正座が最も体への負荷が少ない座り方と言われています。ただ正座で数時間維持することは難しいですよね。
あぐらをかく場合は、座布団を2つ折りにしてその上に座るようにしましょう。これをするだけで股関節の負荷を減らすことができます。
番外編:良い椅子・机を使う
ガイドラインでは使用する椅子やテーブルを改善することも推奨されています。
選ぶポイントとしてはキャスター付きで、 椅子の高さ、座面(座る面)のサイズ・位置、背もたれのサイズ・位置、肘置きの位置が体格に合っていること、調整ができることが挙げられています。
最近では2万円くらいの椅子でもこれらの条件を満たす物が多く売ってますので、ぜひ自分の体格に合った椅子を探してみてください。
予算的に厳しいという方は、ニトリで3,000円くらいで売っている高さを調整できる椅子でも十分に勉強しやすくなると思いますよ。
参考文献
厚生労働省『職場における腰痛予防対策指針』