入試に向けて勉強をしていく中で、受験生がぶつかる壁の一つが苦手科目の克服です。
苦手科目の勉強はイマイチやる気が出なかったり、勉強法が分からずただ時間だけが過ぎていったりと、どう向き合えばいいのか分からないという人も多いのではないでしょうか。
本記事では、苦手科目を克服するための具体的な勉強法を5つ解説します。
目次
工夫次第で苦手科目は克服できる
苦手科目があると、思うように試験の点数が伸びず焦ってしまうこともあるでしょう。
しかし、必要以上に不安に感じる必要はありません。河合塾が約3400人の生徒に対し行った調査では、入試本番までに苦手科目を克服できたと回答した生徒は、44.7%であったと報告されております。
多くの受験生が苦手科目について悩んでいることが分かりますが、逆に言えば苦手科目を克服できた受験生も半数近くいるということになります。
大事なのは苦手科目を放置しないことです。ただがむしゃらに取り組むのではなく、後述する勉強法で一つ一つの壁を越えて苦手を克服しましょう。
苦手教科や科目の克服方法
苦手教科や科目の克服方法① 一人で悩まず周りを頼ろう
多くの受験生が陥りがちなのが、参考書と向き合い一人で勉強しようとしてしまうことです。
もちろんそれで解決できればいいのですが、全くわからない問題を一人で解こうとして、ただ時間だけが過ぎてしまった、という事態になりかねません。
そんな時は、学校・塾の先生や、その科目が得意な友達などに積極的に質問をしましょう。
人に聞くのはちっとも恥ずかしいことではありませんし、わからない部分を理解するのに一番近道な方法です。
受験勉強に充てられる時間は限られています。時間がない受験期間だからこそ、効率的な勉強法を取り入れて着実に進めていきましょう。
もちろん、質問した後はそれで終わりではなく、質問した当日とその後日、自分の力だけで問題を解けるかどうか試してみることが大切です。
苦手教科や科目の克服方法② 誰かに向けて授業をしてみよう
先生や友達に分からない問題を質問して大方理解できたら、次の段階に進みます。
それは苦手な問題について、誰かに向けて授業をすることです。
授業といっても大がかりなものではなく、友達に教える感覚で大丈夫ですし、実際に相手がいない時でも、いると仮定して授業をすれば問題ありません。
要は「人に説明する」という行為が鍵になってくるのです。
人に何かを説明するときには、要点をまとめないといけませんし、何より自分が理解していなければできません。説明しながら頭の中も整理され、口に出すことで記憶力の定着にもつながります。
教わったことがきちんと頭に入っていて、それを言葉にして解説できるかどうか試してみましょう。
苦手教科や科目の克服方法③ オリジナルの小テストをつくってみよう
苦手克服の方法としておすすめなのが、苦手とする分野の中で小テストをつくることです。
小テストというと学校や塾で先生が作成するイメージですが、それを自分で作ってしまいましょう。そうすることで自分の弱点に特化したテストが出来上がります。
小テスト作成の際のポイントは、以下の2つです。
- なるべく毎日小テストを行うこと
- 5-10分の短時間で解けるものを作ること
苦手は一夜にして克服できるものではありませんので、大切なのは続けることです。
張り切ってたくさん問題をつくって三日坊主になるよりは、例え1日1問でもいいので継続しましょう。それだけで1か月で30問も解けるようになっています。焦らず一歩一歩進みましょう。
具体的には、漢字や計算などの比較的簡単なものは10問ほど、文章題は1-2問ほどなど、自身の解答スピードを考慮しつつ自由に設定しましょう。
繰り返しになりますが、あくまでも小テストなので、5-10分で解けるものを用意してください。
間違えたものは訂正ノートにまとめたり、次回の小テストで再出題したりと、完璧に解けるようになるまで繰り返しましょう。
小テストを毎日続けることで、数か月、数年後には最初と比べ物にならないくらい多くの問題が解けるようになっているはずです。
苦手教科や科目の克服方法④ それ一冊で受験に臨める、最強の訂正ノートをつくろう
苦手科目のみならず、苦手な単元や問題というのは何度も間違ってしまうものです。
勉強しなおして理解できたと思っても、次の試験で再び間違ってしまう、なんてこともあるかもしれません。それが「苦手」であり、それを克服することこそが点数アップへの大きな一歩となります。
そこで大切なのが訂正ノートです。学校の試験後に提出する決まりとなっている学校もあるかと思いますが、その訂正ノートが何よりも大切です。
試験は苦手を知るチャンスなので、答案が返ってきたらそこが始まりだと思って、すぐに見直し、解きなおしながらノートにまとめましょう。
この時、ただ正しい解答を写すのではなく、分からないことは質問してきちんと理解してから解き、ただの作業にならないように注意が必要です。
訂正ノートは各教科で作っておくことをおすすめします。
テストや受験の際はこの訂正ノート一冊を見直すだけで、いつも間違っていた部分が得点でき、点数アップへの大きな一歩となるでしょう。
苦手教科や科目の克服方法⑤ タイマーを使った短時間集中法を取り入れよう
苦手科目の勉強は、問題を解いたり理解したりするのに時間がかかり、それだけ長くなってしまう傾向にあります。
しかしその分、他の教科に割く時間が減り、得意だった教科も周りの人に追いつかれてしまった、なんてことになったら元も子もありません。
そこで取り入れたいのがタイマーを使った短期集中勉強法です。
精神科医の樺沢紫苑先生が提唱した「15-45-90の法則」によると、人間の集中力は、取り組む内容に応じて15分、45分、90分しか持続しないことが明らかにされています。
この法則を参考にした例として、
- 15分→最も集中力が必要な暗記系
- 45分→計算や穴埋めなどの比較的時間をかけず解ける問題
- 90分→じっくり時間をかける必要のある長文読解
といった時間のかけ方をおすすめします。
それぞれの科目・単元ごとに小休憩(5-10分)をはさみつつ、タイマーを使って取り組んでみましょう。
ただし、当然人によって集中力の持続時間は異なりますのでトライしながら自分に合った時間を見つけていくことが大切です。
一度の勉強時間が短時間だと不安になるかもしれませんが、だらだら勉強してしまうよりは、集中してさっと終わらせる方が効率もよく効果的です。
しっかり集中できていれば、きちんと身についているので安心して取り組みましょう。
苦手科目を克服するための勉強法を5つご紹介しました。
苦手科目の勉強はどうしても気が乗らないものです。しかし、受験合格への近道は苦手をなくすことによる点数アップです。短時間集中勉強法を取り入れ、小テストや訂正ノートで分からない問題を一つ一つ確実に解けるようにしましょう。
そして、苦手だったはずの科目を得意科目にする勢いで取り組み、志望校合格への道をつかみ取りましょう。
参考文献
河合塾│先輩に聞いた、苦手科目克服法
樺沢紫苑(2017)「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術」