資格や英語の勉強に失敗。。そんな方へ人生の挫折の乗り越え方を解説

挫折を感じたとき、みなさんはどのように対処していますか?

ただ落ち込んだり、失意に沈んだりして時間を過ごす人もいれば、いち早く次の手を打って挫折を乗り越える人もいます。その違いは、ちょっとした行動や考え方のコツにあるといえます。

今回は、挫折を乗り越え、新しい自分になるための7つの方法をご紹介します。

乗り越え方① 挫折に対する認識を見直す

苦しみの中にいるときは「挫折は悪」だと思いがちです。しかし、心理学の「心的外傷後成長」(ポスト・トラウマティック・グロース)と呼ばれる研究では、逆境を切り抜けた後、強さを感じるとともに自分自身を肯定し、自信を深めている人が多いといわれます。また人間関係が改善されたり、他者への同情が増したりするという報告もあります。

挫折や逆境を乗り越えるためには、現在の自分に対する考え方を変えていく必要があります。意図的に自分やものごとをとらえ直すような努力が大事になってきます。

心的外傷後成長の結果、程度の差はありますが、他の人やものごとに対する知恵が身につくといわれます。知恵とは、実用的な知識を知っていることだけでなく、人の感情についてもよく理解していることを指します。知恵がある人ほど、深く人生を理解しているといえます。

乗り越え方② 「スモールステップ法」を使う

挫折を感じている時期は、やる気も出ないし、前向きに考えることもできそうにないかもしれません。しかし、そんなときは今の悩みを整理し、できることに焦点を当て実行していきましょう。

これを心理学では、「スモールステップ法」といいます。スキナーという心理学者が学習原理の一つとして提唱しました。

以下の3つステップを実践してみてください。

ステップ1:悩みを小さくバラバラにする

紙を用意して、いま悩んでいることを全部書き出してみましょう。思いつくままでかまいません。自分が何に悩んでいるのかを細かく分けて考えます。

ステップ2:優先順位をつける

悩みを列挙したら、重要度や取り組みやすいものから番号をふっていきます。過去のトラウマや遠い未来の悩みは、現時点でいくら考えてもどうしようもないものが多いので、今回はリストから外しましょう。

ステップ3:小さなことから片づける

並べ終わったら上位のものから一つずつ処理していきます。最初から手ごわい問題に取り組むと、そこから次に進めない可能性もあるので、小さな問題や簡単に片づけられそうなものから始めるとよいでしょう。

乗り越え方③ 体を動かす

挫折したり気分が落ち込んだりしているときは、体を動かすことがおすすめです。多くの研究者が、「運動することで心が前向きになる」といった報告をしています。

「運動したら気分がスッキリした」という経験がある人も多いのではないでしょうか。運動は、精神安定や直観力などの鍵となるセロトニンという脳内物質を増やすことがわかっています。セロトニンは通称「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神の安定や頭の回転などに関係しています。

ちなみにウォーキングするだけでも脳の血流がうながされ、記憶の定着率が上がるといわれます。集中したいときは、勉強前などに1回10分程度の軽い運動がおすすめです。

乗り越え方④ 誰かと話す

他の人とのつながりを感じることで挫折や苦しみから立ち直った、という話はよく見聞きしますが、実際に自分が苦しくなったとき「助けてほしい」と素直に言えるでしょうか。プライドを傷つけられたり、自分の価値が下がると思ったりして、誰にも助けを求めず孤立したままの人もいます。

しかし本当に自信がある人は、多少の恥をかいたりすることなど気にはしません。そうやって、どんどん問題を解決していきます。自信がないからといって孤立していると、何も変わらないまま時間だけ過ぎていくということもあります。

思い切って誰かと話をしてみましょう。気分がよくならなくても、何かが変わるきっかけになるかもしれません。ストレスが大きいほど、それだけ人との関わりも大事にしたいものです。

乗り越え方⑤ 他人を喜ばせることをする

社会心理学者エーリッヒ・フロムは、「たくさん持っている人が豊かなのではなく、たくさん与える人が豊かなのだ」という言葉を残しています。

挫折の渦中にいると、どうしても自分のことばかり考えてしまいます。失意に沈んだままで出口が見つからない状態が続くようなら、「自分のため」という意識を変えて「人が喜ぶこと」を考えてみることをおすすめします。

世間で高い評価を受けるような人は、個性の強さが目立ちますが、どこかで「世のため人のため」を考えているもの。自分なりの大義名分を持つことがやる気や使命感につながります。自分と関わった人が喜んでいる姿を想像しつつ努力していくなかで、挫折はいずれ去っていくはずです。

乗り越え方⑥ ゲーム化する

挫折感のために学習意欲が低下した場合、ゲーミフィケーションを試してもよいでしょう。ゲーミフィケーションとは、ものごとをゲーム化することによって楽しみながら勉強の効率を上げるという考え方です。特に重要なのは「ちょっとがんばればできそうな目標」と「達成したときのご褒美」です。

例えば、勉強であれば「今日はこのページまで進んだら達成」といったようなゴールを決めます。そして、それができたら「スイーツを食べてもいい」といった具合です。こうすることで脳の報酬系の回路が刺激され、集中力や持続力の向上が期待できます。

 

乗り越え方⑦ レジリエンスを意識する

近年、心理学ではレジリエンスという考え方が注目されています。レジリエンスとは、「困難な状況にもかかわらず、うまく適応する能力」といった精神的な強さを意味します。

レジリエンス、つまり「打たれ強さ」があれば、挫折や失敗などで多少のストレスを感じても、早い段階でそれを成長のチャンスだと思えるようになります。成功者の多くは、このレジリエンスが高いといわれます。

精神的な強さは、夢や目標を実現する過程でとても大事な能力です。また挫折を乗り越えるたびに強くなっていくものでもあります。簡単に出口が見つからないときこそ、「今、自分は強くなっている。成長している。生まれ変わっている」と思えば、高度なレジリエンスを身につける最高のトレーニングになります。

挫折を感じている間は、精神的に不安定になり、どうしたらいいのかわからないことがあると思います。大事なのは、立ち止まらず発想を変え、行動することです。

考えてばかりで頭でっかちになると、悩みや不安が増して、行動できなくなるという悪循環に陥ってしまいます。できることを考え、一つずつ片づけていくことで気持ちが前向きに変わり、新しい発想ができるようになっていきます。

挫折したからといって、落ちこぼれグループの仲間入りが決定したわけではありません。より大きな自分に成長するためのチャンスだと考えましょう。

参考文献

LearnTern│スモールステップの原理とは? 小さな達成感を積み重ねる方法のメリットと使い方
メンタルヘルスの医療法人社団 平成医会│運動がメンタルヘルスに与える影響
一般社団法人日本生活習慣病予防協会│運動はメンタルヘルスにも効果的 運動が不安やうつ状態を改善
名言+Quotes│エーリッヒ・フロムの名言
コエテコ│ゲーミフィケーションとは? | やり方、メリット、デメリットを徹底解説
心理学総合案内こころの散歩道│ポスト・トラウマティック・グロース(PTG):外傷後成長
insource│レジリエンスを鍛える3つのポイント
STUDY HACKER│1日4分 “高負荷の筋トレ” で心まで鍛えられる!? 立ち直る力「レジリエンス」を高める意外な方法。