超簡単にできる!スモールステップのやり方、注意点、メリットを紹介

「なにか読書やランニングを習慣にしたい!でもあまり続かない…」という人こそ、まずはスモールステップで始めるのが非常に効果的です。

一般に人は、好きなことは無意識に続けることができますが、勉強や読書、ランニングなど自分のためになりそうなことほど続けることが困難です。

本記事では、スモールステップのやり方や注意点、メリットや、自分のためになることを続けるためのコツ、勉強やランニングが続かない理由などをご紹介します。

スモールステップのやり方

まず、スモールステップのやり方を紹介します。その上で、メリットや、そもそもどうして続かないのか理由が気になるという人は最後まで読み進めていただきたいです。

やり方①ハードルを下げて始める

例えば、ダイエットのために一日2kmのランニングをしたいと目標を立てたとします。

運動が苦手な人だと、一日1kmのランニングは相当ハードルが高いです。仮に無理をして走り始めたとしても、数日で続かなくなってしまうでしょう。

そのため、 一日1kmのランニングを目標にした場合、まずはウォーキングから始めてもいいでしょう

なぜなら、運動習慣がない人にとっては、その行為を終えるまでのハードルが多く存在するからです。今回は主に5つ存在します。

  • 運動着に着替える
  • ランニングシューズを履く
  • 準備運動をする
  • ランニングを始める
  • 1km走り切る

そのため、 まずはこのハードルを減らしながら始めます。今回だと5つから3つにしましょう(4つ目と5つ目を別のものに置き換える)。ハードルを下げるために着替えて、準備運動をして、1kmのウォーキングから始めるのです。

運動が苦手な人は、健康のために外に出るという習慣を身につけた後にランニングをするといいでしょう。

やり方② 小さく時間を決めて取り組む

例えば、 5分、10分など、小さく時間を決めて取り組む方法もあります。これは、取り掛かるまでに時間がかかる人におすすめです。これは想像しやすいでしょう。

ランニングであれば、2kmではなく500mからなど、数字を少なくするといいでしょう。

しかし、少ないとやった感があまりなく、これで本当に効果あるの?と思ってしまうかもしれません。でも、全く問題ないです。

いきなり大きく変わることは、物事の継続に対して一番の障害になります。「こんなの楽勝、やった感ないよと」感じる程度でとどめ、2週間程度継続出来たら少しずつハードルを上げましょう。

やり方③ 短期目標を作って取り組む

長期目標というのは実は抽象的で、実際のところ何から取り組んだらいいのかわからなくなってしまうものです。

例えば、遠い将来に結婚を考えているカップルに、結婚に最も大切なこととは何か?と聞くと、「相手を思いやる気持ち」とか「住みやすい家」とか、決して間違いではないのですが、やや漠然とした回答になりがちです。

一方、結婚を身近に控えているカップルに聞くと、「お互い収入がいくらあって借金がいくらあるか知っておくこと」とか「相手の親との相性」などといった、現実的かつ具体的な回答になりやすいです。

短期目標を作ると冷静かつ現実的な思考になるので、今やるべきことを具体的に決めて取り組むことができます。

これをランニングに置き換えた場合、いきなり一日2kmを目標にするのではなく、まずは2週間以内に一日500m、1ヶ月以内に一日1km、3ヶ月以内に2kmと段階を踏んだ目標にしましょう。

いきなり現状の能力とかけ離れた目標にしてしまうと、達成のハードルは大きく上がってしまいます

スモールステップ法実践の注意点

最後に、小さく始めるにあたっての注意点についてご紹介します。

注意点① 頑張りすぎない

やる気があるのは良いことと思われがちですが、 人は頑張りすぎるとすぐやる気を失うものです。人が毎日やることといえば、歯磨きやお風呂や料理などがありますが、毎日の歯磨きをやる気満々で行っている人はそれほど多くないと思います。

やる気があるから続けられるというのは大きな誤解で、 むしろやる気など意識せず気負わないからこそ、疲労や心的飽和(飽き)とは無縁でいられて、習慣として続けられるのです。

注意点② 人と比べない

小さく始めたとしても、人と比べて落ち込んでしまったら、その効果は薄くなってしまいます。「読書家の人はひと月に本を10冊くらい普通に読むのに、自分は1日1ページってバカみたい」などと自分を低く見てしまうと、快感が得られません。

そもそも人と比べてしまう人は、自分に期待をしすぎているのです。 あまり期待せず、気軽な気持ちで小さく始めてみましょう

注意点③ 目標の見直しを随時行う 

やるべきことが習慣化されていくと、もっとたくさんの回数や量に取り組みたいと思うようになるはずです。そのときが来たら、少しずつ取り組む回数や量を増やしていくと良いでしょう。

いつまでも初期の小さい目標にこだわる必要はなく、 随時そのときの自分に合った適切なサイズに目標を細分化し直して、取り組むと良いでしょう。

スモールステップで小さく始めるメリット

一気に新しい行動を取り入れると、脳はすぐその変化に気づいてしまいますが、 いつも通りに近い状況を作れば、日常に新しい行動を滑り込ませることができるようになります

例えば、毎月4冊本を読むぞ!と目標を立てても、これまでひと月に1冊も読んでこなかった人にはハードルが高すぎます。1週間で1冊読むとしても、200ページの本ならば1日28ページも読まねばなりません。

学校や仕事帰りで疲れているとき、このような しんどい目標を自分に課していたら、すぐ現状維持システム(ホメオスタシス)に見つかってしまいます

そんなときこそ、スモールステップを活用しましょう!「1日1ページ読む」という小さな目標にたてた場合を例として、そのメリットをご理解いただきたいと思います。

メリット① 丁寧に取り組む気持ちが芽生え、理解の度合いが高くなる

1日28ページだと思うとつい斜め読みしてしまいかねないですが、 1日1ページであれば量が少なくクリアすることが容易いので、その1ページをしっかり読もうと思えます。そのため、理解度も上がります。

メリット② 達成感を感じやすい

人はやるべきことをやりきったとき、快楽をもたらす神経伝達物質が脳内で分泌されます。脳は負荷はできるだけ避けようとしますが、快楽は癖になるので受け入れます。

メリット③ 習慣化への道ができやすい

新しい行動の負荷は少ないのに、知識に対する理解度が上がり、かつ快感が得られるというのは、脳にとっては喜ばしいことです。

その行動を毎日しないとスッキリしないという感じになってくれば、すでに習慣化されつつある証拠です。

勉強やランニングが続かない理由は?

最後に、どうしてやりたいことが続けられないのか、そのメカニズムについて解説します。

一番大きな理由は、ハードルの高さです。学校帰りや仕事帰りにコンビニに寄って、お菓子やお酒を買い込むのはとても気楽でハードルが低い上、好きに食べたり飲んだりすることは快楽となり、習慣化されていきます。

一方、 意識的に続けたいと思っていることは、大きな目標を見据えていることが多いので、心理的ハードルが高く、人間の脳の現状維持システム(ホメオスタシス)が作動してしまうのです。

現状維持システム(ホメオスタシス)とは、身近な言葉に言い換えると〈変化を恐れる心理〉です。すでに今の状況のまま生きていけることはできているのだから、「新しい行動をすることはリスクである」という無意識の思考です。

ゆえに 三日坊主になりがちなのは、あなたのモチベーションが低いからでも怠惰だからでもありません。筋トレ1日50回と決めたのに1日しかやれなかったとしても、あくまでそれは脳の働きによるもの。

自分を責めて罪悪感を抱え込むのは、百害あって一利なしです。 早々に“システムエラー”に気づき、「目標の作り方」を見直すのが有益です。

では、どうしたら現状維持システム(ホメオスタシス)を乗り越えることができるのでしょうか?

理屈でいえば、変化する労力よりも現状維持していく労力を下回ったとき、つまり、「 変化するほうが楽」だと脳が認識したとき、人の行動は変わります。とは言え、その状況を意図的に作り出すのは容易ではありません。

そもそも現状に大きな負荷をかけるのは誰だってしんどいわけで、負荷をかけるのがつらいから、続けたい習慣が長続きしないわけです。

もっとも簡単な方法は、脳をうまくだますことです。脳に気づかれないよう、取り組む事柄に対する心理的抵抗を思い切り下げてしまうことです。

人は大きな目標に立ち向かうとき、つい力んでしまい、現状維持システム(ホメオスタシス)に負荷をかけようとしていることが脳にすぐ感知されてしまいます。

ですので、 脳にバレないようハードルを下げてしまえば、まるで娯楽のように無意識に取り組むことができるというロジックです

そのために、スモールステップを活用するのです。皆さんもスモールステップを用いて、今日から少しずつ自分を変えてみましょう!