パブリックコミットメントとは?目標を宣言するメリットと実践方法

みなさんは今、どんな目標を持っていますか?世の中では日々、至る所でいろいろな目標が掲げられています。

「5㎏減のダイエットをしたい」
「東京大学に受かりたい」
「公認会計士の資格が取りたい」
「営業部の売上目標を達成したい」

しかし、なかなか行動が伴わなかったり、やっぱり無理なんじゃないか?と途中で心が挫けてしまったり…、目標を達成することは、そう容易ではありません。

ですが、そのようにうまくいかない経験をしている方にぜひ一度、試して頂きたい方法があります。
それは、パブリック・コミットメントです。

パブリック・コミットメントとは

パブリックコミットメントとは、周囲の人たちに自分が達成したい目標を宣言することで、逃げ場をなくし、自分自身が目標達成に向けて行動するように仕向ける心理テクニックのことです。

そもそもなぜ私たちがそのような行動をとってしまうのかというと、人は、「自分の主義主張や態度が一貫していると安心する」という性質があるからです。そこまで他と違いは感じないのに同じブランドのものを買い続けてしまったり、もう飽きているのに同じ作家の新作が出るとつい買ってしまうなどの行動が、それです。これは「一貫性の法則」と呼ばれています。

そこに「他人の目」が加わると、さらに一貫性の法則が強く作用します。

身近で最もわかりやすい例は、結婚式です。米エモリー大学の調査によると、結婚式の招待客の人数が200人を超えた場合、離婚率が平均より大きく下がったそうです。これは、多くの人の前で愛を誓い、どんな困難も乗り越えると約束した手前、「そう簡単には別れられない」という意識がふたりの間に生まれることが大きな理由だと考えられています。

また、招待者が多いということは、結婚生活を応援してくれる仲間が多いとも言えますので、サポートを得られやすい状況になり、結果、結婚生活を継続するという目標を達成する確率が上がることになります。

パブリック・コミットメントのメリット

それでは、「資格取得をめざす」という想定で、パブリック・コミットメントをするメリットを説明していきましょう。

1.目標を達成する可能性が上がる

まず、公の場で宣言することで自分の意識が変わります。人は、「一貫性のある人間でありたい」という自己ブランディング欲を持っており、また、人からもそう思われたいと考えています。自ら目標を周囲の人と共有することで、良い意味で監視機能が働き、自分を目標達成のための行動へと気持ちを駆り立てることができます。

2.周囲の理解と協力が得られやすい

前項の結婚式の例でも述べましたが、人を巻き込む効果は絶大です。誰に宣言するか?というのも重要で、「自分が資格を取ったら喜んでくれそうな人たち」に宣言すると良いでしょう。事情を知っている人たちは、時に応援の言葉をかけてくれたり、勉強がしやすいよう環境を作ってくれたりするかもしれません。

3.良い情報が集まる

また、自分が資格を取ったら喜んでくれそうな人たちに宣言することのプラスアルファとして、その資格に関する集まりやすいというメリットがあります。例えば、すでにその資格を持っている友人などから、「この問題集はおすすめだよ」「この講師の授業はよかったよ」「今この業界はこんな風に動いているから、この分野を重点的に勉強するとよいかも」など、活きた情報がもらえる可能性が上がります。

パブリックコミットメントの実践方法

1.ノートに目標を掲げる理由や期限を具体的に書く

手を動かして紙に書くと、「自分は自発的にその行動をしたのだ」と意識に刻み込むことができます。人間の心は移ろいやすいものですが、紙に書き残すことで、確固たる信念がそのときあったように感じられ、未来の自分のモチベーションにつながっていくのです。

また、目標達成の期限を具体的に書くのも効果的です。期限を1年以内の短期間に設定し、曜日まで書くとなおよく、一気にリアルに感じられるのでさらに本気度がupします。

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2.信頼を失いたくない人や、達成したら喜んでくれそうな人に宣言する

自分が尊敬している人や、達成したら喜んでくれそうな人に宣言しましょう。あまり自分に影響力がない相手や、信頼を失ってもあまり自分が気にしないような人に宣言しても、リスクが少ないので意味がありません。自分にとって、適度にリスクのある環境を作ることが重要です。

また、人は自分のためよりも、人のためと思った方が頑張れる傾向にあります。誰かの喜ぶ顔が見たいとか、人に感謝されたいとか、人に褒められたいというのは自分の存在価値を確認する作業であり、時に本質的でない場合もありますが、目標達成のためのモチベーションとなり、心理的に重要なプロセスです。

3.進捗状況をSNSで報告する

監視機能を常に働かせておくためには、現実での宣言だけでなく、SNSを活用してメモ代わりに進捗状況報告をするのが有効です。「今からこのテキストのこの項目について90分勉強します」「終わりました。○○の分野は自分は苦手だ・・。もう少し時間を作らないといけない」など、臨場感のある努力の証を残しておくと、自分が振り返って見たときに「私はこれだけ努力ができる人間だったんだ」と再確認できたり、「ここまで投資してきた時間とエネルギーを無駄にしたくない」という意識も働き、心がくじけるのを防ぎます。

SNSはモチベーションを下げようとしてネガティブ発言をしてくる人が現れる危険性もありますが、そういったネガティブ要素もエネルギーに変えて、淡々と自己記録を積み上げられるメンタルもこの機会に培ってしまいましょう。

まとめ

パブリック・コミットメントはとても有効な手段ですが、実際のところ、何事も大学合格や資格取得を達成してからが本番です。周囲の人を巻き込んで自分を追い込み、目標達成をする道のりの中で、自分のメンタルをコントロールする術も同時に鍛えていけば、目標達成後の場面で応用がききます。パブリック・コミットメントを活用しつつ、目標達成後の自分をイメージすることも忘れずに、目標に向かって邁進していきましょう。

参考文献

Pridal TIMES│米大学が発表“離婚しないための7か条 
epinote│「あなたの夢は何ですか?」夢を “必ず” 実現させる、たった2つのシンプルな方法とは
東大院試×就活 ESCAPE Log│【公表効果】目標を口に出すことのメリットとデメリットを検証
三谷淳(2020)『最高の結果を出す 目標達成の全技』