エナジードリンクは体に悪い?摂取のメリットやデメリット、飲み方を紹介

見た目もオシャレで、爽快な味わいのエナジードリンクは、勉強や仕事で「あとひとがんばり」というときに頼りになります。しかし、エナジードリンクに頼りすぎると落とし穴もあります。

今回はエナジードリンクのメリットやデメリット、そしておすすめの飲み方について詳しく解説します。

エナジードリンクのデメリット

エナジードリンクのデメリットは主に3つあります。

デメリット① カフェインの過剰摂取を招きやすい

エナジードリンクはジュースやサイダーと同じ感覚でぐいぐい飲んでしまいがちです。特に夏場など喉の渇きが激しい日には、1日に3本以上飲む方もいることでしょう。そうなると、 カフェインの過剰摂取を招いてしまいます

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所では、国内外のエナジードリンクが関連した46件の健康被害事例を分析しました。その結果、10代~40代が多く、 特に多かったのが20代男性でした。

健康被害の主な原因は カフェインの過剰摂取。症状は 心臓障害、嘔吐、低カリウム血症など。死亡例も4件あり、4件とも20代と報告しています。

では、エナジードリンクにはどのくらいカフェインが含まれているのでしょうか。実は、海外製品と国産品ではかなり違います。

海外製品のなかには、 100㎖あたりにカフェインを80㎎も含むものもあります。一方、国産製品では 100㎖あたり10~60㎎が主流です。

カナダ保健省や欧州食品安全機関では、健康な成人で悪影響が出ないカフェインの最大摂取量として、「1日400㎎未満」を推奨しています。

エナジードリンクの場合、製品によっては 1日に2~3本飲むと、健康に悪影響が出る量に達してしまうわけですね。

また、エナジードリンクは子どもでも手を出しやすいという問題があります。 子どもは大人と比べて体が小さいため、大人と同じ量のカフェインを摂取したとしても悪影響が出やすくなります

このため、イギリス(16歳未満)やオランダ(14歳未満)などでは販売対象年齢を定めるなど、厳しい規制に乗り出しています。

デメリット② カロリーオーバーにつながりやすい

コンビニで見かける有名ブランドの果汁飲料やサイダーなどのカロリーは 100㎖あたり30~50kcalです。日本人の多くは日常の食事だけでもカロリーを取りすぎと言われていて、ジュースやサイダーを飲みすぎないように注意する必要があります。

では、エナジードリンクはどうでしょうか。日本で人気の製品を見ると、100㎖あたりのカロリーは30~60kcalが主流。一般的な清涼飲料水とそれほど変わりません。

つまり、製品によりますが、エナジードリンクを毎日飲んだり、1日に数本飲んだりすると太ってしまうわけですね。

デメリット③妊娠中の女性の場合、胎児への影響が懸念される

この原因は、 エナジードリンクに含まれるカフェイン(もちろんコーヒーや紅茶なども含めての話)です。

世界保健機関(WHO)は 妊娠中のカフェインの過剰摂取により、胎児の成長の遅延、出生時の低体重、早産、死産に影響する可能性があると指摘しています。

1日あたりのカフェイン摂取量が300㎎を超えると、新生児の低体重や流産のリスクがあるため、摂取を抑えるように呼びかけています。

エナジードリンクのメリット

エナジードリンクはデメリットが強調されがちですが、もちろんメリットもあります。

メリット①気分がリフレッシュできる

特に気温が高くなると勉強や仕事の合間に、のど越しがさわやかな炭酸飲料を飲んで気分転換したり、一息入れたり。また眠くなった時には、カフェインを含むコーヒーを飲んで、もう少しがんばろうとしますよね。

そうした 炭酸飲料とコーヒーのそれぞれのメリットを兼ね備えているのが、エナジードリンクなのです。

メリット② 見た目がカッコ良い

エナジードリンクのヘビーユーザーは10~20代の男性。勉強や仕事を乗り切るために利用しますが、栄養ドリンクではなく、なぜエナジードリンクを選ぶのでしょうか。

それは、栄養ドリンクにはオヤジっぽくてカッコ悪いイメージがあるのに対し、エナジードリングはファッション性の高い製品がそろっているからです。

栄養ドリンクのテレビCMを思い出してください。崖をよじ登ったり川を下ったり、激しいスポーツをしたりと汗臭さをイメージしてしまいます。

一方、エナジードリンクにはスタイリッシュなデザインの製品が多く、友人の前でもオシャレに飲み干すことが可能。そうしたイメージの良さも、若者に支持される理由なのですね。

メリット③ 飲料として楽しめる

エナジードリンクは250~500㎖の製品が多く、飲み応えがあります。喉の渇きを満たしてくれる点は、栄養ドリンクにはないメリット。

さらに、キャンディーやグミなどで「エナジードリンク味」が人気を集めるなど、独特の味わいを楽しめることも魅力です。

おすすめのエナジードリンク

1.『コカ・コーラ エナジー』(日本コカ・コーラ㈱)

(C)日本コカ・コーラ株式会社

100㎖あたりのカフェイン含有量は32㎎で、ガツンと行きたい方に最適。初めてエナジードリンクにチャレンジする人にとっても、馴染みのあるコーラ味なら違和感なく飲めます。

カフェインのほか、エナジードリンクで定番のガラナエキス、ナイアシン、ビタミンB6などを配合しています。

2.『RAIZIN GOLD FREE』(大正製薬㈱)

(C)大正製薬株式会社

エナジードリンクでは貴重な 「カフェインゼロ、カロリーゼロ、糖類ゼロ」。カフェインやカロリーが気になる人も安心して利用できます。

カフェインの代わりに、ショウガ科植物のガランガルの地下茎から抽出した成分を使用。これに加えて、イチョウ葉抽出物、脱タンパクローヤルゼリー、ビタミン、アミノ酸などを配合しています。

3.『がぶ飲みエックスフリーダムエナジー』(ポッカサッポロフード&ビバレッジ㈱)

(C)ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社

10代に向けたエナジードリンク。500㎖サイズで飲みごたえ十分。勉強であとひとがんばりしたいときに、「がぶ飲み」ができる。カフェインの含有量は1本(500㎖)あたり77㎎。

これは コーヒー1杯分よりも少し多い程度で、カフェインの過剰摂取の心配も小さくてすみます。受験生がエナジードリンクを選ぶ場合、このタイプが安心できますね。

おすすめの飲み方

エナジードリンクは基本的に、勉強や仕事でもう少しがんばらないといけないという、ここ一番で利用しましょう。「少し休憩したあとで、もう少しがんばろう」と思うときに飲むのが最適です。これは次のような理由からです。

カフェインは吸収が早く、飲んでから30~40分くらいで体内に吸収されます。そして、血中のカフェイン濃度がピークを迎えるのは、飲料の温度などによって大きく変わりますが、摂取してから1時間前後。その後の数時間は体内に滞留されます。

勉強や仕事の休憩に入るタイミングでエナジードリンクを飲み、20~30分ほど休憩してから再開するとちょうどよいでしょう。

言い換えれば、立て続けに2本、3本と飲む必要はまったくありません。そのような飲み方をすると、カフェインの過剰摂取を招くため、絶対にしないように注意してくださいね。

まとめ

説明してきたようにエナジードドリンクにはメリットもあれば、デメリットもあります。メリットだけを鵜呑みにして利用を習慣化してしまうと、カフェイン依存症に陥る恐れがあります。

大切なのは、エナジードリンクについて理解し、自分自身に合う製品を選ぶこと。そして、飲みすぎないように注意することです。

ぜひ、エナジードリンクを正しく利用して、勉強や仕事の山場を乗り切ってくださいね。

 

参考文献

食品安全委員会│ファクトシート 食品中のカフェイン
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所│エナジードリンクについて
厚生労働省│食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A
農林水産省│カフェインの過剰摂取について