テスト前のベストな睡眠時間とは?試験前にとるべき睡眠戦略

「テスト前の徹夜はよくないって聞くけど、何時間ぐらい寝ればいいんだろう?」

「結果を出そうと焦ってしまい、ついつい睡眠時間を削ってしまう」

大学受験などを意識するようになると、それまで以上にテストの点数が気になってしまいますよね。

人によっては肌荒れを起こしたり、焦燥感やイライラで寝付けなくなったり。

追い詰められることで普段以上の力を発揮できることもありますが、あまり根を詰めすぎて本番の試験中に居眠りしてしまっては本末転倒です。

一生懸命に勉強した成果をきちんと点数に残すためにも、テスト前の期間は特に効率のよい睡眠に努める必要があります。

そこで今回は、勉強時間を確保しながらも「せめてこれだけは眠りたい!」という 最低限必要な睡眠時間や、 テスト前でも無理せず休むことのメリット 実践する際のコツをご紹介していきます。

ぐっすりと睡眠をとって冴えた頭で、ベストなテスト結果を掴み取りましょう!

1. テスト前でも睡眠時間を確保すべき3つの理由

テスト直前になって徹夜で一夜漬けするのはよくないという話はよく聞きますが、少しでも高得点を取れるように、1つでも多くの知識を取り込んでおきたいところ。

その気持ちを抑えてでも勉強より睡眠を優先すべき理由には、次のようなことが挙げられます。

理由① 睡眠不足は飲酒受験と同じ

睡眠の専門医である中村真樹先生によれば、 睡眠が不足している人は集中力が大幅に低下することがわかっているそうです。

具体的な数値としては、酒気帯び運転の基準値である血中アルコール濃度0.03%(日本酒1合が目安)に対して、 24時間起き続けている人の脳の作業効率を血中アルコール濃度で表すと、およそ0.08%に相当するほどに衰えています。

飲酒運転は絶対にしてはいけないことですが、睡眠が足りない状態はそれ以上に集中力が欠如してしまうということです。

お酒を飲んでからテストを受けたりすれば、芳しくない結果になるのは当然ですよね。

理由② 睡眠不足は記憶を維持できない

イギリスにあるロイヤル・ホロウェイ大学が行った実験では、 勉強した後の夜の過ごし方が1週間後のテストの点数に影響することが判明しました。

つまり、 睡眠には勉強した内容を脳に定着させる働きがあるということです。

たとえどれだけの時間を勉強に費やしたとしても、学んだことが頭から抜けてしまっては意味がありません。

趣味や友達と遊ぶ時間を我慢してまで勉強するのであれば、その努力に見合った知識を身につけられるように、睡眠をとらないともったいないですよ。

理由③ 睡眠不足は免疫力を低下させる

テスト前や当日に風邪をひいてしまい、熱や頭痛に苦しみながら問題を解いた経験はあるでしょうか? 

絶対にわかるはずの問題が解けなかったり、普段ならしないようなケアレスミスが多発したり。特に、一発勝負の大学受験本番で体調を崩した時には、もう最悪です。

人間は 強いストレスを受けると免疫力が低下するとされています。受験を意識して睡眠習慣を整えようとするような方であれば、感じているプレッシャーも大きいはず。

そこに睡眠不足による免疫力低下まで重ねたくはありませんよね。大事な時期に病気にかかったりしないよう、十分な睡眠を確保して体調を整えておきましょう。

2. テスト前にとるべき睡眠の3ルール

「睡眠が大事なのはわかった。じゃあ3時間だけ眠って残りは勉強しよう」

そう考えるのは早計です。せっかく睡眠時間を捻出したとしても、その長さが不十分だとベストの結果を勝ち取ることは難しいでしょう。

そこで、次は最低限とるべき睡眠時間や眠りにつく最適な時間帯についてご紹介します。

ルール① テスト前でも最低7時間は睡眠をとる

ペンシルバニア大学の研究によれば、 6時間睡眠の生活を2週間続けた人の脳は、2晩も寝ていない状態と同程度の能力しか発揮できないそうです。

その一方で、7時間以上の睡眠が体によいことは別の研究から明らかになっていることを考えると、少なくとも毎日7時間は眠れるように生活習慣を改善することをおすすめします。

ちなみに、1時間半刻みで睡眠時間を調整するとよいという話もありますが、それは特に気にしなくて構いません。

そもそも睡眠のサイクルは人によって差がある部分であり、同じ人であっても常に一定の時間で周期を刻んでいる訳ではないからです。

ルール② 就寝時間はライフスタイルが決める

理想的な睡眠時間がわかると、次に気になるのは入眠のタイミングですよね。

しかし、 どの時間帯に就寝するのが最も効率的な睡眠なのか、その答えはあなた自身のライフスタイルによって決まるものであり、具体的に何時に眠るのがよいと言えるものではありません。

あなたは毎朝何時に起床しますか? その時間がわかれば、あとはそこから7時間の睡眠を逆算することで、ベッドに横になって眠りにつくべき時刻がわかります。

ルール③ 眠気や疲労が残らなければOK

ここまで、毎日7時間は寝るように、起床時間から逆算して就寝時間を決めるように、と述べてきましたが、実のところ必要な睡眠には個人差があり、季節や年齢によって変わってくることも無視できない事実です。

そのため、 自分が眠気や疲労感に悩まされない程度に眠れていれば問題ないとする説もあります。

6時間睡眠でも平気そうか、7時間半寝ても眠いのか、さまざまな睡眠の形を試していく中で自分自身に問いかけてみましょう。

大切なのは、 あなた自身の最適な睡眠習慣を見つけ出し、それを日常生活の中で継続していくことと言えるでしょう。

3. テストでベストな結果を残すための3つのコツ

最後に、以上の睡眠戦略を実践するにあたって、是非とも押さえておきたいポイントを3点ご紹介します。

自分のパフォーマンスを上手にコントロールすることで、がんばって勉強してきた成果を冴えた頭でフルに発揮しましょう。

コツ① テスト前日ほど余裕をもって過ごす

テストが近づくにつれて緊張感が高まり、前日にもなると気になって夜も眠れないかもしれません。

ちょっとした隙間時間でも勉強していないと不安になってくるところですが、 そんな時こそ余裕をもってリラックスすることが重要です。

入浴や読書など穏やかで気分転換になることに時間を使い、気持ちを落ち着かせて安眠できるよう心がけます。

どうしても寝付けない場合は、サイモン・フレーザー大学の博士が考案したシャッフル睡眠法などに頼ってみるのもよいでしょう。

コツ② テスト前の睡眠時はスマホを封印する

テスト直前の最後の追い込みも完了、あとは寝るだけ……となると、ついついスマホに手が伸びてしまいがち。

ですが、就寝前にスマホをいじるのはテストが終わってからにしましょう。

動画やネットサーフィンで時間がみるみる溶けてしまうことに加えて、 スマホから発せられるブルーライトは非常に強力なエネルギーを有しております

睡眠を司るメラトニンというホルモンの分泌が抑制されて睡眠の効率が悪くなりますよ。

コツ③ 朝日を浴びて朝食をとる

朝起きたら、まずは窓際に立って日光を浴びましょう。眠気が晴れてスッキリと目が覚める上、就寝時間になったら自然と眠くなって生活リズムが整えられる効果も期待できます。

さらに、脳や体が元気に活動を始めるためには朝食も欠かせません。

特に受験生には、 学習能力や認知機能をサポートするDHAを豊富に含む青魚や、 手軽にブドウ糖を摂取できるバナナなどの食品がおすすめです。

しっかり栄養を補給して、万全の状態でテストに臨みましょう。