効率の良い英単語の暗記方法とは?明日からできる簡単な方法も解説!

受験や資格を取るために英語を勉強する上で最も重要となる要素の一つは語彙力です

英単語は知っていれば知っているほど試験には有利になるのでできるだけ多くの英単語を覚えることが大事だとされています。

ですが大学受験では2000単語以上、TOEFLなどでは更に数千単語を暗記することが必要になってきますが、なかなかこのような大量の単語を暗記できずに苦戦している方も多いと思います。

そこで今回は脳と記憶のメカニズムとそれに基づく効果的な英単語の暗記方法について紹介してみようと思います。

記憶のメカニズムの特徴について

ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスは人がなぜ物事を忘れるのか、どうすればそれを防ぐことができるのかを解明したいと考えました。

エビングハウスは学習した情報が時間とともに失われていく様子を視覚的に表現した“忘却曲線”を生み出しました。

エビングハウスは自分の記憶力を試すために意味のない言葉のリストを用意し、時間をおいてそれを思い出す実験を行いました。その結果、いくつか重要な点が明らかになりました。

(C) Wikipedia

特徴① 記憶は時間とともに弱まる

上記の図からもわかるように、なにか新しいことを学んでも、その情報を再学習しようとしなければ時間が立つにつれてその情報はどんどんと忘れていってしまいます。

特徴② 記憶の低下は学習後すぐに起きる

忘却曲線の最初の急激な落ち込みからわかるように記憶の低下は学習からすぐに起きることがわかっています。学んだことを復習したり、補強したりしないと記憶は急激に失われていきます。

例えば授業で新しい単語や公式などを覚えて帰っても、数時間後にはほとんど覚えていないことはよくあることだと思います。

特徴③ 意味のあるものを覚えておくほうが簡単

意味のないもの(エビングハウスが覚えたような無意味な単語のようなもの)は忘却曲線に最も従うものになります。

例えば興味のないテーマの話を聞いた場合と、とても興味があって面白いテーマの話を聞いた場合とを比較すると前者のほうが早く忘れてしまうことはみなさんも実感するでしょう。

特徴④ やり方次第で記憶の持続時間が変わる

同じ情報を覚えると言っても伝え方次第で記憶に残りやすくなったり、そうでなくなったりします。

論理的に整理されており、わかりやすく伝えられたものは記憶に残りやすくなりますが、無秩序に羅列された単語のリストを覚えることはなかなか難しいでしょう。

特徴⑤ 気持ちが記憶力に影響を与える

エビングハウスはストレスや睡眠などの生理的な現象が、記憶の維持に大きく影響すると考えました。

多くの人はストレスを感じると記憶ができなくなり、更にストレスを感じてしまうという悪循環に陥ってしまいます。

また睡眠が脳の情報記憶の整理に役立っているという研究結果もあります。

効率の良い英単語の暗記方法について

では効率的に暗記をするためにはどうすればよいのか4つの方法を紹介します。

暗記方法① 間隔学習をする

エビングハウスが発見した最も重要なことは新しい記憶を忘却曲線上のちょうどよいタイミングで復習することで、記憶の忘れる割合を低下させることができるということです。この方法は“間隔学習”と呼ばれています。

私達の記憶はすぐに薄れてしまうものですが、最初に学習したあとすぐに復習を行うことで、記憶の低下を防ぐことができます。

定期的に復習して、記憶を更新することで忘れることを止めることができます。

そして復習のたびに再び記憶の低下が再開されますが、その低下のスピードは前回覚えたときのスピードよりも遅くなっています。

そのためだんだんと復習を重ねていくにつれて記憶は忘れにくくなるのです。

具体的には時間が経てば立つほど、復習の間隔を長くしていきます。
復習の間隔を翌日、2日後、1週間、30日後…
とだんだんと伸ばしていき、一ヶ月後には記憶が頭に定着していることになります。

このように最初に暗記したあとに計画的に覚え直すことで、脳に刻み込まれた記憶がより強化されることになります。

暗記方法② 単語を実際に使ってみる

覚えにくい単語を早く覚えるための良い方法の一つとして、その単語を使って文章を書いてみるという方法があります。

意味のない単語の羅列を単純に覚えるのではなく、実際に作文でその単語を使ってみたり、その単語が使われている文章を見てみましょう。

そうするとその単語が実際の生活でどのように使われているかが理解できるようになります。

さらにいえば、面白い文章であればより簡単に単語を覚えることができるでしょう。その文章をよりわかりやすくするような絵を書いてみたりするのもいいでしょう。

暗記方法③ 実際に使われているシチュエーションから学ぶ

映画、テレビ番組、本、ラジオ、歌などは一般的に使われている単語を学習することができますし、単語がシチュエーションや人物、出来事に関連付けて使われているため単語を暗記するのがより簡単になります。

ですので英語で本を読んだり、映画を見たり、ラジオを聞いたりしてわからないフレーズや単語を見たり聞いたりしたときはそれをノートなどに書き留めたり、辞書などで調べたりして暗記すると良いでしょう。

暗記方法④ 関連した単語を調べる

ある単語を学習した際にはその関連した単語を調べて一緒に暗記してしまうようにしましょう。

たとえば”care”という単語を暗記しようとするときその単語ひとつを覚えるだけではなく、辞書やインターネットの検索などを使ってその単語の派生語や類義語、熟語も調べるようにしてみましょう。

“care”という単語の場合、”careful”、”carefree”、”careless”、”take care”などがあります。

一つの単語を覚えるときに関連した語をまとめて覚えておくときはそれらがすべて関連している語なためそれぞれ個別に覚えるよりも容易に暗記ができることでしょう。

最後に

今回は記憶のメカニズムとそれを踏まえた上での効果的な単語の暗記方法について紹介しました。英語学習の上で語彙力の形成は避けては通れないものですが、単調な作業になりがちです。

そんな単語の暗記でも今回紹介した暗記方法を利用することで少しでも楽にたのしく暗記をすすめることができたらと思います。

参考文献

Mind Tools │The Forgetting Curve Why We Forget, and What We Can Do About It
GO Blog│How to memorize new vocabulary faster: 9 tips