暗記にいいペンの色は青?緑?ペンやマーカーの効果と使い方について解説

暗記が苦手な人は、少しでも暗記を助けてくれるアイテムを活用したいと思いませんか?

暗記を効果的にするためのアイテムは「ペン」です。中でもペンの色は重要です。黒が一般的ですが、ペンの色をある色に変えることで、暗記が克服できるようになるかもしれません。

こちらでは、暗記に効果的なペンの色とその使い方について解説していきます。

暗記にいいペンの色は青!

暗記でおすすめのペンの色はズバリ青です。人が暗記するためには、「集中力」と「記憶力」が必要といわれています。青は数ある色のなかでも 「集中力」と「記憶力」を高める色だと研究で明らかになっているのです。

青色の活用方法について

暗記するには青色が良い理由を説明してきましたが、実際にどう活用すればいいのでしょうか。ここでは青色を使った具体的な活用方法をご紹介していきます。

活用方法① 青ペンで書きまくる!「青ペン書きなぐり勉強法」

早稲田塾創業者の相川秀希氏が考案した、 ひたすら青ペンでノートに書き続けるという勉強法です。「青ペンで暗記できる」と話題が広がり、今では難関校受験生やビジネスマン、司法試験受験者など幅広く活用されています。

「青という色には鎮静効果があり、心をリラックスさせることで集中に導く力がある」と、考案者の相川氏も青の集中と鎮静効果について言及しています。青の効果は一般的にも認知されてきているのかもしれませんね。

活用方法② 特に覚えたいところは青ペン+オレンジの蛍光マーカーで強調

青い文字のなかでも 特に印象づけたい部分があれば、オレンジの蛍光マーカーを引くのがおすすめです。ブルーの反対色であるオレンジをつかうことで、覚えたい部分を強調することができます。

さきほどの印象効果でも説明したように、インパクトの強いものは人の記憶に残りやすいのです。

反対色の オレンジでマーカーを引くと、引いた部分の青い文字がさらに強調されるため、記憶を呼び起こすときにイメージとして出てきやすいといわれています。

活用方法③ 青文字を隠す下敷きは濃い青

よく暗記するときに活用する赤や緑の下敷きやシート。青い文字は、赤や緑の下敷きではうまく隠れないといわれることが多いです。

青い文字を消すには、より濃い青の下敷きが適しています。それでも見えてしまう場合は、青ペンを水色に近いものに変えてみましょう。色みが薄くなることで隠れやすくなるので試してみてください。

活用方法④ 青いノートを使う

集中力アップのため、 ノートの紙を青にしてみるのもおすすめです。長岡技術科学大学と製紙大手の王子ホールディングスの研究によると、白い紙と比べて青い紙は、「計算力」、「記憶力」、「論理力」に関する集中力が27%向上したという結果になりました。

ちなみに、 凹凸のある青い紙だと、58%集中度が向上するという結果がでています。

共同開発された凸凹のある青いノートは小学生の学習用ノートしか発売されていませんが、興味があれば手に取ってみてはいかがでしょうか。

青色が効果的な理由について

青色が効果的な理由① 集中力がアップする

長岡技術科学大学で行われた実験で、青には「集中」を向上させるということがわかっています。

その実験とは、青・赤・透明の眼鏡を着用した状態で計算問題を解いてもらい、各色の眼鏡で感じた「集中・いらだち感」などを回答してもらうというものです。
その結果、青の眼鏡をかけたときに「集中」の値が最も高いという結果が出ました。

青色が効果的な理由② リラックスした集中状態がつくれる

さらに青はストレスを抑制してリラックス状態をつくることがわかっています。色眼鏡を着用した実験のなかでさらにわかったのは、青眼鏡をかけるとコルチゾールというストレスホルモンが抑制されるということです。

ストレスホルモンが抑制されると人はリラックスした状態になります。このリラックスした集中状態が、勉強には良いとされているのです。

ちなみに緑もリラックスの色といわれていますが、暗記をする際にはおすすめしません。たしかにリラックス効果はあるのですが、あくまでも緑は癒しの色です。

実際の研究でも、緑の文字は他の色と比べて記憶に残らないという結果が出ています。 緑がおすすめなのは、勉強合間の休憩時間です。

休み時間に自然の写真や風景を見て癒されることで癒しのリラックス効果が生まれ、勉強に戻ったときにもリセットすることができるでしょう。

青色が効果的な理由③ 印象効果で記憶力向上につなげられる

印象効果というのは、普段見慣れていないようなインパクトの強いものが人の記憶に残りやすいということです。たとえばノートを取るときはふつう黒のペンを使うのが一般的だと思います。

これを青に変えると、 普段とは違うノートの色みが新鮮に映り、記憶に残りやすくなると考えられています。

青色が効果的な理由④ 文字の大小があっても記憶に残る

ある研究で、文字の色や大小によって記憶力に違いが出るのかという実験をしたところ、 青は文字の大きさに違いがあってもどちらも記憶に残りやすいということがわかりました。

その研究では、まず4桁の数字が複数書かれた用紙に、時間内にできるだけ多くの数字を覚えます。

その数字は、色が黒・青・赤・緑と違いがあり、また大きさもバラバラです。その後記憶に残った数字を解答してもらったところ、青が一番解答率で大小の差がない色であることがわかりました。

なかでも 黒は、大きな文字のときは解答率が高かったのに対し、小さな文字になると解答率は半減してしまいました。このことからも、青は文字の大きさに左右されず安定して記憶に残ることができることがわかります。

青色が効果的な理由⑤ 鎮静色だから反復しやすい

暗記に大切なのは「反復して記憶を定着させる」ということです。忘却曲線というものをご存じでしょうか。

ドイツの心理学者・エビングハウスが唱えた有名な理論ですが、人間は100%記憶した状態からわずか1日後には約70%も忘れてしまうといわれているのです。記憶を定着させるには、くり返し同じ内容を暗記することが必要です。

青は目でみても 刺激の少ない鎮静色なので、くり返し書いても目が疲れにくい色です。記憶定着のために必要な反復作業に適した色といえるでしょう。

反対に赤は刺激の強い色です。赤をみるとストレスがかかり、拒否反応が起こってしまうとも考えられています。その点、青のペンはストレスなくノート一面に書き続けられるので、反復しやすく暗記にはおすすめなのです。

まとめ:青ペンをつかって集中力、記憶力をアップさせよう

青ペンをつかうと集中力や記憶力の向上が期待でき、暗記に適していることがわかりました。

また、文字の大小関係なく記憶しやすいことや、反復作業をしても目が疲れにくく記憶が定着しやすくなることも、青の特徴を生かした勉強法です。

具体的には、青ペンでくり返し書いていく方法や、反対色をつかうことでさらに強調させたり、色を活用することで効率的に暗記をしていけそうです。

この記事で紹介した方法でいいなと思った勉強法があれば、ぜひ取り入れてみてくださいね。

参考文献

J-STAGE|青色のストレス反応抑制効果~唾液コルチゾールによる検証~
J-STAGE|文字種類の違いによる記憶への影響と忘却率の変化
東洋経済ONLINE|頭のいい人は「青ペン×A3見開き」だった!
まなビタミン|中高生の暗記に悩んでいる保護者様必見!成績アップに効果的な記憶力の伸ばし方
ログミーBiz|赤ペンを使うと成績が下がる 実験でわかった驚きの新事実
相川秀希(2015)「頭がよくなる 青ペン書きなぐり勉強法」
東洋経済ONLINE|頭がいい人は、なぜ「青ペン」を使うのか?
PRESIDENT Online|絶対忘れない「青ペン書きなぐり」勉強法
LICENSTUDY|青ペン暗記法には3つの効果的なやり方が!?受験生の「色」活用法とは