暗記をするうえで音読が大切だということはよく耳にしますよね。
しかし暗記と聞くと、ひたすら机に向かったり単語帳を使ったりというイメージが強く、実際に音読を活用できている人はほとんどいないのではないでしょうか。
この記事では音読のメリットと効果的なやり方について紹介します。今日から少しずつ実践していきましょう!
音読のメリット
メリット① 長期的、感覚的に記憶される
黙読と音読を比較してみましょう。黙読は教科書などに書かれた事柄を「目で見る」行為をします。
一方音読は「目で見る」、「声に出す」、「それを耳で聞く」という3つのプロセスがあります。
五感を広く使い、多くのプロセスを踏み声に出すという運動を伴うことからも 音読が記憶に残りやすいことは納得できますよね。
また、ある研究では、学生を集めて英文を黙読と音読をするグループに分け、その内容に関する記憶定着度を調べるテストを受けさせたました。
その結果、3週間後の事後テストでは 音読をしたグループの方が高得点だったという結果が得られています。
感覚的な記憶についても考えてみましょう。たとえば私たちが普段話す言葉は、もちろんその意味を理解(暗記)しているからこそ使えます。
意味を理解していない知らない言葉が勝手に自分の口から出てくることはありません。
言い換えると、 自分から発せられる言葉はもれなくすべて、これまでに私たちが覚えてきたものです。
いちいち記憶をたどらなくても感覚的に口に出しているのです。
音読はそれを利用して、逆に 覚えたい言葉を繰り返し発することで感覚的に記憶として定着させようとするものだと考えられます。
実際にみなさんは九九を繰り返し口に出して覚えた経験があり、それを感覚的に普段の計算で使っているのではないでしょうか。
メリット② 早く覚えられる
これは音読の大きな特徴ですが、たとえ ば書いて覚えようとするよりも圧倒的にかかる時間が少なくて済みます。
スキマ時間に取り組めることはもちろん、かかる時間が少ない分、一つひとつ書くことに比べて同じ時間で同じ範囲を軽く3周は回すことができます。
単語帳は何周もやれと言われますが、それは 覚えたいものに出会う回数が多いほど記憶に残りやすくなるからです。
しかし、音読ばかりをやっていてはテストで「分かるけれど書けない」といった事態になりかねません。
音読はあくまで暗記をするための方法の一つであることは忘れないようにしましょう。
メリット③ 簡単に取り組める
音読は 比較的取り組みやすく、はじめるハードルが低いというメリットもあります。
手を動かすことで暗記をしようとした場合、机に座り、参考書とノートを開き、ペンを持つことではじめてスタートします。
それに対して音読は参考書さえ開けば机に座っていなくてもできてしまうため、場所を選ばず、少し体を動かしながら行うこともできます。
あまりやる気が起きないときなどに取り組むことで、脳が刺激されてやっているうちに本格的な勉強モードになることも期待できます。
また、机に向かった勉強に飽きてしまったときに気分転換として取り入れてみることもオススメです。
音読の効果的なやり方
効果的なやり方① ただ口に出しているだけになっていないか確認
音読は、その意味を理解しながら読み進めないと効果が半減してしまいます。
例えば本や教科書を黙読しているとき、気がついたらなんとなく目で文字を追っていただけで内容が何も頭に入っていなかったという経験はないでしょうか。
音読は声に出すため黙読と比べれば集中しやすいですが、 やはり慣れてくるとただ無心で読み上げるだけになってしまいます。こうなると、せっかく音読をしているのに効果半減です。
そうならないためには、自分が音読している文章全体、さらには使われている言葉の一つひとつが理解できていることを確認しながら進めることが大切です。
効果的なやり方② 文章を音読する
音読は、 暗記したい単語や用語が含まれた文章を頭のなかで理解しながら行うと効果的です。
たとえば単語帳にある単語と意味をただ上から読むよりも、その単語を含んだ例文を音読するとその 単語の音だけでなく意味や使い方などが感覚として記憶されやすくなります。さらに、他の単語に応用できたりもします。
切り離された単語ではない英文に多く触れることは、暗記をすることにとどまらず英語の文章自体に馴染みがもてることにもつながります。
さらには 読解やリスニング能力に対してもよい影響を与えます。
文章に馴染みがもてるという点においては漢文古文にでも同様のことが言えます。
英単語や古文単語、歴史用語など、それぞれ読み方や意味を音読によって覚えた後、実際に手を動かして書けるようにすると、より簡単で効率的に暗記ができるようになります。
効果的なやり方③ 大きな声で音読する
特に英語の場合、いざ音読をしようとすると場合周りの人や家族に聞かれることがなんとなく恥ずかしく、ぼそぼそと小さい声になってしまう人は多いです。
しかしハキハキと大きな声で行ったり、さらには歌にのせたりすると暗記量が増えるという研究結果があります。
自信をもってはっきりと声に出す、また楽しんでみようといった気軽な気持ちで取り組むことを少し意識してみてください。
慣れてくれば、音読に限らず発表の場面などで意外な効果が得られるかもしれません。
まとめ
いかがでしたか。これまでの話をふまえると、暗記をするうえで音読を利用しないのはとてももったいないと感じるのではないでしょうか。
少し述べましたが音読ばかりやれば完璧に暗記ができるというわけではありません。
テストは記述式が多くありますから、暗記したものを自分の手で書けるかどうかをしっかり確認しておく必要があります。
普段の勉強に音読を取り入れてより効率的な暗記に役立ててみてください。