「覚えられない」を克服! 日本史暗記の完全攻略3ステップ

 日本史は暗記量も膨大で辟易としてしまっている学生の方も多いことでしょう。今回の記事はそんな方に向けて、日本史における最強・最短の暗記方法を3つのステップ形式でご紹介します。この記事を参考にして、効率的な暗記方法を習得し、日本史の実力をぐんぐん伸ばしていきましょう!

日本史の暗記方法について

ステップ① 流れや因果関係を抑える

 暗記の方法と銘打って、最初に流れや因果関係を抑えると言われると少し違和感を覚えられる方いるかもしれません。しかしはっきり言って、日本史において単語ベースでの暗記をしていても成績はほとんど伸びません。語呂合わせなどで「平安京」というワードだけを覚えていても、入試「794年に建てられた都は?」という問題が出るでしょうか?そんな平易な問題は、大学入試では問われませんね。

「平安京」という単語自体は日本史においても最重要の単語なのですが、その単語の付帯情報や背景、歴史的にどういった役割を果たしているか。といった観点からの暗記が必須になってきます(平安京の例で言うと、律令制が崩壊し、令外官や格式が重んじられる中での新たな政治の舞台になった、など)。

単語ベースでの暗記をしている人は、一問一答の形式以外の問題が出題されたときに手も足も出ませんし、何より膨大な単語を全て覚えるのは不可能です。
まずは時系列に沿って、時代ごとの流れと「誰が」「なぜ」「なにを」したのか、という話を正確に理解しましょう。時代の推移を追っていくことで、ドラマ的に歴史の骨組みを覚えていくのです。

歴史は人の行動の集積です。行動には必ず思惑が先立ちます。どういった意図で、何が行われたのか、という因果関係をしっかりと理解することが最も重要です。

 丁寧に丁寧に歴史の流れを抑え、確固たる骨組みを作っていったのちに、一問一答などを用いて単語を抑えていき、肉付けをすることで、忘れづらいのに実用的な暗記が出来ますよ。日本史の勉成績が上がらないから、一問一答で単語をとにかく覚えたいという学生の気持ちはわかりますが、まずは流れや因果関係を、教科書・塾・授業などでインプットすることこそが最速・最強の近道となります。

ステップ② 一問一答を用いる

教科書・塾・授業などで丁寧に通史のインプットは済んだあなたは、晴れて暗記のフェーズに移ることが出来ます。野球で喩えると、暗記方法①は正しいフォームを習う段階で、ここから素振りをとにかくこなしてフォームを自分の物にする段階です。

そんな日本史の暗記において、最大の武器となるのは「一問一答」です。持っていない方は今すぐ、一冊を購入してきて、手元に置くようにしましょう。東進ブックスから出版されている「日本史B 一問一答【完全版】」や、山川出版の「山川 一問一答日本史」などを使っていれば、ほとんどの大学には対応できます。複数の参考書に手を出すのではなく、一冊を使い倒す姿勢が重要です。

それでは、「一問一答」をどのように使えば効果的なのでしょうか。こちらは、受験期の段階ごとに分けて考えていきましょう。

受験勉強初期

受験勉強初期はインプットと並行して「一問一答」を使用するのがオススメです。先ほど、まずは流れを抑えようというお話をしましたが、通史全てのインプットを一気に完了させるのは時間がかかりすぎます。

例えば前日の授業で習った範囲の単語を、次の日に「一問一答」を使って暗記していく、といった流れが最もスムーズです。前日に抑えた流れや因果関係に基づいて、単語を詰めていくイメージです。

受験勉強中期~後期

受験勉強中期~後期ですが、この辺になると当然通史は勉強し終えていることと思います。確固たる骨組みをインプットしてきたあなたは、毎日のルーティンとして「一問一答」を高速で周回させ、単語をどんどん詰めていきましょう。

具体的なペースで言うと、1日に100ページ程度がオススメ。一問一答は一冊で大体300ページなので、3日で1周、1週間で2週ほどできるペースです。

そんなに覚えられるか!という声が聞こえてきそうですが、安心してください、一度に覚える必要はありません。
人間、どれだけ時間をかけて丁寧に覚えた内容でも、いずれそのことは必ず忘れてしまう生き物です。

たとえば、丸一日だけ共に過ごした人と、3秒だけではあるが、毎日のように挨拶で顔を合わせるご近所さん。どちらの顔の方が覚えていられそうでしょうか。恐らく後者でしょう。

人間の記憶の仕組みを考えても、同じものに何回も触れることで、脳がそれを大事なことだと錯覚し記憶の定着力が良くなり、暗記が効率化されるという実験結果が出ています。

3日で一問一答が一周できるなら、いずれ覚えられそうという希望が湧いてきませんか?また1日に100ページ程度を推奨しましたが、これを実現するためには1単語にかける時間をも短縮せねばなりません。

1単語にかける時間はおよそ5秒前後がオススメです。それ以上かかると、テストなどでも時間が足りなくなる恐れがありますし、実用的な知識として脊髄反射で使える単語の時間が5秒前後です。これならば、一日に1時間前後、日本史の一問一答に時間を割きさえすれば、100ページ分の進行も実現可能でしょう。

さらに、「一問一答」の高速周回においては、必要な物とそうでないものの取捨選択も肝心です。「もう絶対に忘れない」という完璧に暗記したものは、見ないでいいように付箋をつけたりマーカーをつけたりしましょう。そうすることで、1日に100ページの周回も容易に達成できるのです。

ステップ③ 問題演習をしてインプット(暗記)に立ち返る

 ここまでの二段階で、流れ・因果関係のインプット、そして一問一答による暗記で、筋骨隆々の基礎が身についてきたのではないでしょうか。

そんなあなたの次のステップとしては「問題演習」に移っていただきたいです。

「問題演習」のイメージとしては、1冊の問題集・及び志望校の過去問を大量に解くことがオススメです。日本史は大学ごとの問題で、特徴や傾向が色濃く出ますし、去問をとにかく解くことが望ましく、問題集は1冊を極めるぐらいが丁度よいです(他の科目にも時間を割きたいですし)。

オススメの問題集としては、Z会の「実力をつける日本史100題」、旺文社の「日本史 基礎問題精講」があります。日本史の問題集は難易度が高いものも多いですが、こちらはセンター~MARCHレベルを手広くカバーしてくれます。

 ただし、どちらの方法論においても問題をただ解くだけでは「アウトプット」の演習にしかなりません。暗記してきた知識を外部に発散するだけでは暗記の鍛錬にはなりませんので、この記事の主題でもある「暗記」に問題演習を昇華する方法をご紹介しましょう。

単純なやり方ですが、問題を解く→自分が苦手としているところが浮き彫りになる→そこに立ち返ってのインプット(暗記)という手順が最も有効です。問題を解いていけば「鎌倉初期の文化の問題でよく落としているな」「明治の政治史が苦手だな」と明らかに穴になっている大問が浮き彫りになるはずです。そこで浮き彫りになった苦手な箇所に立ち返って、流れ・因果関係を見返し、「一問一答」で鍛えなおしましょう。そのルーティンをひたすら繰り返すことで、自分の苦手をしらみつぶしにしていくのです。ペンキをどんどん上塗りしていくイメージで、記憶を重ねることで暗記内容が完全に定着します。ここまで徹底的にこなせれば、もう日本史で怖いものはありません。

 これが日本史暗記の完全攻略3ステップです。質と量を兼ね備えた圧倒的な暗記で、日本史を受験における武器にしていきましょう。

参考

マナビズムチャンネル 大学受験勉強法&参考書ルートや使用法│過去問を効率よく復習し結果を出したい!〈受験トーーク〉
武田塾チャンネル│【武田塾参考書ルート2020】日本史・私大ルート
日本一効率的な勉強法 ゴウ│英単語をたった30分で100個すらすら覚えてしまう方法