【日本史の覚え方】文化史の暗記効率を最大限に高める覚え方4選!

日本史の勉強で躓きやすいのが「文化史」です。

通史は授業内で順序だてて説明がされるのに対し、文化史は体系的な説明がないまま暗記が強いられることが多い分野です。

さらに、「文化史」と一言で言っても仏像、絵画、文学作品、学問などジャンルが多岐にわたるため、暗記が大変です。

この記事では、文化史の暗記効率を最大限に高める方法について紹介していきます。

どの教科にも言えることですが、勉強には 「縦のつながり」と「横のつながり」が重要です。

縦の勉強はある分野を掘り下げて学習することで、横の勉強は分野間の共通点を意識して勉強することです。

日本史で言えば、 時代ごとに学習するのが「縦」、時代を超えて 特定のジャンル(例えば絵画など)に着目して流れをつかむのが「横」になります。

これから紹介する勉強法も「縦」と「横」の考え方に基づいているので、意識するようにしましょう。

文化史の暗記効率を最大限に高める覚え方4選

文化史の覚え方① 時代区分や文化区分を意識する

ダイアグラム  自動的に生成された説明

画像は、高校で習う文化の代表的な区分を飛鳥時代から江戸時代までまとめたものです。

時代と文化の数は一対一で対応しているわけではなく、平安時代や江戸時代に複数の文化が生まれているのが厄介なところです。

一つの時代に複数の文化が複数の文化が含まれているとき、その時代の間に文化の変化があったことが分かります。

文化間の違いは良く出題される箇所なので、比較して覚えられるものはセットで暗記することが大切になります

また、文化の特徴を文化が変化した理由と合わせて分析することも重要です。

国風文化や北山文化など有名な文化は覚えやすいですが、時代の変遷の途中に生まれた文化(例えば院政期の文化や南北朝文化)やマイナーな文化(宝暦・天明期の文化など)は忘れがちです。

そういう場合は、 その時代の出来事や時代の主導者と合わせて覚えることが重要になります

例えば「宝暦・天明期は田沼意次の時代で、学問が発達した」などイメージをつけるようにしましょう。

時代背景や時代の中心人物と合わせて覚える」というのは効率のいい暗記法で、人物名などの少ないヒントから推測して文化を覚えることができるようになります。

例えば、慈円が執筆した『愚管抄』ですが、この作品は承久の乱の直前に後鳥羽上皇に対して倒幕計画をいさめるために執筆されたものであるというエピソードがあります。

通史と関連付けて覚えることで、『愚管抄』→『承久の乱』という連想で時代を推測することができます

作品などを覚える際は、文化名・作品名・作者名・特徴・写真は必ずセットで覚えるようにしましょう。「~と言えば〇〇時代」となるまで、暗記することが大切です。

特に、時代の中心人物が立てた建造物(聖徳太子の法隆寺、藤原道長の法成寺)などは通史と関連付けて覚えておきましょう。

教科書を何回も読んで、その単語がどのページに出てきたかを覚えてしまうくらい勉強することが望ましいです。

そうすると、どの単語の近くにどの単語があるか分かるので、「この作品は○○文化のものだ」と分かれば、他の作品も芋づる式に同じ文化のものだと分かるのでとても効率的に思い出すことができます。

文化史の覚え方② 対比を見つける

文化史は対比の関係を見つけてセットで暗記することが効率の良い勉強法です。

例えば、古墳文化の「土師器と須恵器」です。土師器は赤焼き、須恵器は灰色の土器ですが、名前の雰囲気が似ているので取り違えてしまいやすいです。

特に、同じタイミングで学習するので混同しやすいことに注意が必要です。似ているものは出題されやすいのでしっかり区別をつけておきましょう。

ぞれぞれの特徴を把握するために、 語呂合わせを利用するなどしても良いでしょう。

また、 文化をまたいで対比させることが大切になる場合もあります。

仏像の彫刻技術において弘仁・貞観文化の「一木造」と国風文化の「寄木造」だったり、能書家の「三筆」と「三蹟」など、 隣り合う文化では対比させて覚えることが多いです

文化の変化をとらえて暗記するようにしましょう。特に、弘仁・貞観文化と国風文化の違い、北山文化と東山文化の違い、江戸時代の初期・中期・後期の文化の違いは重要項目です。

他にも、天平文化の「万葉集」と国風文化の「古今和歌集」など ジャンルが似ている作品や、国風文化の「法成寺」と院政期の「法勝寺」など 語感が似ているものは気を付けて覚えておきましょう。

文化史の覚え方③ グループ化する

対比を見つける暗記法と似ていますが、同じジャンルのものはまとめて覚えましょう。

文字の書かれた紙  中程度の精度で自動的に生成された説明

鎌倉時代の6つの宗派や元禄時代の儒学者などは人物名と考え方を結び付けて、著書など周辺事項も覚えましょう。 表にまとめて対応関係を可視化することがおすすめです

江戸時代以降になると学問や文学作品が多様化して暗記量が増えるので、ジャンルごとに表を作るなど特に気を引き締めて頑張りましょう。

文化史の覚え方④ 時代をさかのぼって変遷をまとめてみる

単なる対比では覚えられないケースもあります。そういった時は 時代をさかのぼって変化をとらえていく必要があります

特に宗教観の変遷は大事なテーマなので覚えておきましょう。宗教観が仏像や文学作品、学問などに影響しているため宗教への理解が必須になります。

特に神道については、平安時代の「本地垂迹説」の考えを室町時代にひっくり返す流れがあったり、名前を変えて新たな宗派が生まれるなど変化が激しいです。

ある考え方を軸にして考えの変化がいつどのように起こったかなど変遷をまとめておきましょう。

テーブル  自動的に生成された説明

以上、文化史の覚え方について紹介してきました。

文化内や文化間で対比やグループ化をしたり、ジャンルごとの変化をまとめたりすることで文化への理解を深めることが大切です。

文化史の暗記には通史の知識が役立つことが多いので、通史と並行して学習することがおすすめです。暗記科目は反復練習が大事なので、ことあるごとに教科書を読む習慣をつけましょう。