勉強中休憩方法を間違えると、そのままダラダラ時間を無駄にしてしまいますよね。どうせ休むなら、勉強につながる効果的な休憩を取りたくないですか?
特に受験勉強や難しい資格取得などは、毎日何時間も机に向かってコツコツと勉強を続けなければならず、精神的にも肉体的にも疲れてしまいますよね。
大変な勉強を長く続けていくためにも、また目の前の課題により一層集中するためにも、休憩というのは必要不可欠です。
とは言え、「どれくらいの頻度で休憩すれば良いんだろう?」「効率的な休憩方法はないだろうか?」と悩んでしまいますよね。そこで今回は、勉強の休憩時間に最適な方法や効果、とるべきタイミングについて解説します。
勉強における休憩は効果があるのか?
勉強中に休憩をとることに「休憩は時間の無駄だ」「集中が続かないのはやる気の問題」と言ってくる人もいますよね。しかし、 休憩で勉強の効率が上がることには、科学的な根拠があります。
2017年2月に実施された、東京大学薬学部の池谷裕二教授の実験をご紹介します。この実験では、事前テストの結果に基づいて学力が等しくなるように分けられた3グループに、次の3通りの勉強方法を試してもらいました。
B:45分学習(休憩なし)
C:15分学習×3(7.5分休憩×2)
さて、A〜Cのグループのうち最も勉強の成果が上がったのはどれでしょうか? 一見すると1番勉強時間の長いAグループが有利ですよね。
しかし実験結果によれば、答えはCのこまめに休憩をとりながら勉強したグループです。学習から1週間経過後のテストで獲得した点数を事前テストの点数と比較したところ、Cグループの伸び幅はAグループの約1.2倍になりました。
同じ60分の間に休憩時間を割り当てて、勉強にあてる時間を減らしたにもかかわらず、です。
この実験結果から、 勉強にはこまめな休憩が必要だとわかるでしょう。
勉強の休憩時間は何分がいいのか?
次に、勉強中のどのタイミングで休憩を挟むべきなのか、また何分休めばいいのかについて解説します。
先述の池谷裕二教授による実験では、15分学習する度に7.5分の休憩をとっていました。その結果、人間の集中力を司るガンマ波を一定レベルに維持することができました。
これと同様に決まった学習サイクルを繰り返すことで勉強の効率を高める方法として、 ポモドーロ・テクニックが知られています。具体的な手順は次の通りです。
- 25分間勉強する
- 5分間休憩する
- 1と2のサイクルを4回繰り返す
- 30分程度の長めの休憩をとる
- 1と2のサイクルを再開する
イタリア人のフランチェスコ・シリロ氏が大学生の頃に編み出したこの勉強方法は今や世界中で注目を浴びており、日本でも専門的に取り上げた書籍が発売されるほどの人気です。
勉強時間の記録方法は?
勉強時間の計測にはスマホアプリが便利です。
こちらの記事で勉強時間の記録について紹介しているのでぜひアプリを活用してみてください!
あなたが挑戦しようとしている 試験の時間割に合わせて普段から勉強するというのも有効でしょう。
試験時間の途中で集中が途切れてしまうと、雑念が生じ、解けるはずの問題が解けなくなる可能性もあります。
また、試験時間が2時間もあるような長丁場であっても、自分の集中がもつ大体の時間を把握しておけば、 休憩しながら回答を見直す時間をあらかじめスケジューリングすることだってできます。
そのため、勉強時間を記録するのは非常に大切です。受験や資格取得のための勉強をしている人が本番の試験で最高のパフォーマンスを発揮したいなら、こちらの方法をぜひ試してください。
また、 休憩時間もしっかり計測するといいでしょう。時間を計測することで時間の浪費が防げ、次の勉強へ上手くつなげやすいです。
勉強の休憩時間に最適な方法
勉強中に適切なタイミングで休憩を挟むことは、勉強効率を向上させ、無用な肉体的・精神的疲労を回避する結果に繋がります。
とは言え、ちょっと休憩しようと思ったらいつの間にか2時間も経過していて、とても勉強に戻れる気分ではなくなったという経験には覚えがあるはず。
そこで次は、うまく脳をリフレッシュさせながら、スムーズに勉強に戻れるようなおすすめの休憩方法をご紹介します。いろいろな休憩を試しながら、自分に1番合った方法を探してみましょう。
休憩方法①:運動
1つ目の方法は、散歩や筋トレといった運動です。スウェーデンにあるヨンショーピング大学の研究によれば、 たった2分だけでも体を動かすことで 脳の学習能力を改善し、集中力アップなど様々な恩恵を受けることができます。
脳を休めるだけでなく、休憩後の勉強効率をさらに高められるのが嬉しいですね。
また、長時間座りっぱなしの姿勢は 代謝の低下や血行の抑制を招き、様々な病気の原因になる可能性があります。
オーストラリアで実施された研究によれば、 座ったままの状態が1時間続くごとに22分寿命が縮む計算になることがわかっています。
せっかく試験に合格したのに体調を崩してしまっては元も子もありませんから、 休憩時間にはなるべく姿勢を変えたり運動したりするようにしましょう。
休憩方法②:仮眠
2つ目の方法は、仮眠をとることです。勉強しているとどうしても眠たくなって集中できないこともありますよね。そんな時は思い切って眠ってしまうのも1つの手です。
カリフォルニア大学バークレー校の研究によれば、 仮眠には脳の記憶領域を整理する働きがあると言います。
実際に、仮眠をとったグループととらなかったグループに分けて記憶力を競わせたところ、仮眠をとったグループの方が遥かに好成績をおさめることができました。
加えて、 ホットアイマスクなども活用しながら休めば溜まった目の疲れをリフレッシュすることにも繋がります。
休憩方法③:飲食
3つ目の方法は飲食です。最近はカフェで仕事や勉強をする人も多いですが、 勉強中の飲食は気分転換になるだけでなく、働き続ける脳への栄養補給にもなります。
コーヒーに含まれるカフェインが眠気覚ましに効果的なのは言うまでもありませんが、ブドウ糖が豊富に含まれる バナナやラムネなど、勉強の効率アップに有効な食べ物は他にもたくさんあります。
「あと5問解いたらバナナを1本食べよう」という風に、 好物をご褒美として設定すれば、モチベーションの維持にも役立つはず。
勉強中は避けるべき休憩方法
最後に、 勉強中の休憩として絶対におすすめできない方法をご紹介します。それは今や75%以上のご家庭で愛用されている商品…… スマートフォンです。
届いたメッセージを確認するだけのつもりが、ついつい他の関係ないアプリにまで手が伸びてしまったり。何か調べ物をするにしても、気になる広告や関連記事が出てきて気付いたらネットサーフィンをしてしまっていたり。
ちょっと触るだけのつもりでも歯止めが効かなくなるのがスマホの恐ろしいところです。
「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」によれば、携帯やスマホの使用時間が長い中学生ほど学力が低いという研究結果が出ています。
楽しいWEBサイトやゲームなど、様々な誘惑のあるスマホを触るという行為は、自ら遊び場に出かけていくことと変わりません。歌うのが好きな人がカラオケルームで勉強に集中できるでしょうか?
その日の勉強が終わるまでの間、スマホはしまっておくのが吉です。
まとめ
勉強に休憩が必要だということはよくわかりましたよね。どうやって勉強をするかと同じくらい、どう休憩するかも大切なのです。適切な休憩をとり、勉強の効率をグングン上げていきましょう!